校正の部屋
こひつじの家


このページの内容
 科学技術関係の文書を校正するときに使用される校正記号について,例で示しながら説明します.
記:2002-02-28


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字体の指定
・イタリック イタリックに指定するときは,該当する文字にアンダーラインを付ける.
例【字体関係−1】では E が E に変わっている.
《参考》
イタリック文字は斜体文字ともいう.
アンダーラインの他に,イタまたはitalと指定してもよい.
・ローマン ローマンに指定するときは,該当する文字にをかぶせる.
例【字体関係−1】では mV が mV に変わっている.
《参考》
ローマン文字は立体文字ともいう.
冠を付けて指定する他に,ローマンまたはromと指定してもよい.
《注意》
冠を付けるというのは国際的には認められていないので,校正する人と校正を受ける側とで確認をとった方がよい.
・下ツキ 下ツキに指定するときは,該当する文字をで囲むようにする.
例【字体関係−1】では s が s に変わっている.
・上ツキ 上ツキに指定するときは,該当する文字をで囲むようにする.
例【字体関係−1】では 2 が 2に変わっている.
参考
例【字体関係−1】に示したように,その行にあった校正か所数に相当するマークを右余白に印しておくとよい.校正を受ける側では,校正か所を修正するごとにマークを消していけば,修正忘れを減らすことができる.


・大文字と小文字 英字の大文字や小文字に指定する方法を,例【字体関係−2】に示した.文字を書くだけでなくで囲んで添えておくとよい.
・ギリシャ文字 ギリシャ文字の場合は,ギリシャ文字を書いて,で囲んで添えておくとよい.
・ボールド ボールドに指定するときは,該当する文字に波形アンダーラインを付ける. 《参考》
ボールドは太字ともいう.特にゴシック文字で指定するときはゴチと添えることもある.

文字間隔の指定
・文字間隔をつめる 文字間隔をつめるときは,つめたい間隔の上にを付ける.
・文字間隔を空ける 文字間隔を空けるときは,空けたいところの上にを付ける.

文字や語句の訂正
・かなを大文字に 大文字に指定するときはを用いる.
・かなを小文字に 小文字に指定するときはを用いる.
・文字や語句の訂正 下の例【文字や語句の訂正】を見てください.

追加や削除
・追加 下の例【追加や削除】を見てください.
追加したいところにマークを付け,1文字程度のときはマークの下に,文字が多いときは余白に書き込んで,の頂点から線で結ぶ. 中点はピリオドと区別するためにで囲んでおくとよい.
・削除 取消線を引いただけでなく,トルを添えておく.

校正の取り消し
例【校正の取り消し】にあるように,校正した部分を取消線で取り消すとともに,イキを添えておく.

いれかえ
例【いれかえ】を見てください.

次の行や前の行に送る
・次の行に送る 次の行に送りたいところをでマークします.
送った部分が空白になるのではなく,例【次の行に送る】にもあるように,その直前の文字が行の右端に下がります.


・前の行に送る 前の行に送りたいところをでマークします.

パラグラフの変更
・パラグラフをおこす パラグラフを分けたいところに,例【パラグラフの変更】の上の方にあるマークを入れます.新しいパラグラフに移った先頭の文字は,一文字分下がります.
・パラグラフを続ける 例【パラグラフの変更】の下の方にあるマークを入れて続けるようにします.旧パラグラフの先頭にあった一文字分の空白はなくなります.

行間隔や印刷位置の指定
・行間隔をつめる 間隔をつめたい行の左に,右にを付ける.
・行間隔をあける 間隔をあけたい行の左に,右にを付ける.
左右の印字位置についての指定については,下の例をみてください.


参考文献:木下是雄著「理科系の作文技術」中公新書/中央公論社1981