考察/物理学実験
想い出の名古屋工業大学

こひつじの家



 名古屋工業大学(名工大)に勤務していたときに授業を担当した「物理学実験」の参考資料です。
 【注】実験内容等が変わっている可能性がありますので,あくまでも参考程度に見てください。

最終更新:2007-10-11


 名工大の「物理学実験」における考察は,おおよそ次の事柄について科学的(論理的)に,できるだけ定量的に吟味し検討することである。
▽ 実験結果の信頼性
▽ 文献等による結果との比較
▽ 疑問点や気付いたことに関して

考察する順序
(1)問題点をあげる。
(2)問題点について憶測したり仮定を立てたりする(たとえば「マイクロメータの目盛を読みまちがえて,0.5 mm 大きく読み取ってしまった」と仮定する)。
(3)仮定したことが正しいかどうかを,実際に計算したり,証明したり,文献で調べたりして確かめる(ここが考察の中心部だ)。
(4)問題に対する結論を出す(「仮定したことが間違っていた」というのが分かることも立派な考察だ)。

 みなさんが書いている考察の多くは(1)または(2)の段階で終わってしまっている。そこで最後まで考察することがいかに大切かを,次の例で見てみよう。
 あなたが会社の新製品開発の責任者であったとして,開発中の製品にたびたび生じる故障について,原因の追求と対策を技術者A氏とB氏に依頼したとしましょう。
やがて担当技術者A氏からは
故障の原因は接着剤の強度不足だと考えられる
というレポートを受け取り,技術者B氏からは
故障は接着剤の強度不足が原因だと考えられたので,接着剤の強度と故障率の関係を計算した結果,接着剤の強度を30%増せば故障が生じないことが分かった
というレポートを受け取りました。さてあなたはどちらの人に仕事を任せたいですか。
 このように考察は実験などの最後の詰めとして,非常に重要です。

テキストの「検討」と考察
 考察は,みなさんが最も悩むところだと思う。そこでテキストの各実験に「検討」という項目を設け,考察の手助けをすることにしている(本来はそこに書いてある問題提起も自主的に行う必要がある)。
 テキストの「検討」に書いてあることや「考察せよ」と書いてあることは必ず考察し,さらに自分で問題点を見つけて考察するとよい。なお「検討」は「考察」とほぼ同意語であるが,レポートの項目名は「考察」としよう。

参考⇒よい考察の例
 実験11「電気抵抗の温度変化」の考察
 2000(平成12)年度入学.社会開発工学科.伊藤若葉さん(2000年12月8日提出)

記:2004-10-30