「考えてみよう その 1」のヒント

 試料は直径 0.9 mm で長さ 28 cm,周波数が 60 Hz,磁気ヒステリシス損失は 10 × 103 J/m3 であるので,単位時間あたりの発熱量は
  π(0.9 × 10-32/4 × 0.28 × 60 × 103 J/m3 = 0.11 J/S = 0.11 W
となる。この程度の発熱量だったら,ほんのり暖かく感じられる程度(消磁作業を行った後の試料をさわってみるとわかる)であるが,周波数を 10 kHz に上げると 18 W にもなり,さわれば火傷をする。
 最近よく使われるようになった電磁調理器(IH)は,蚊取り線香のような平たいコイルに 10 kHz ほどの交流を流して磁場を作る。コイルのすぐ上に置かれた鉄なべは,磁気履歴損失によって生じた熱と誘導電流によって生じたジュール熱によって激しく発熱する。

更新:2005-4-20

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