実験の順序/物理学実験
想い出の名古屋工業大学

こひつじの家



 名古屋工業大学(名工大)に勤務していたときに授業を担当した「物理学実験」の参考資料です。
 【注】実験内容等が変わっている可能性がありますので,あくまでも参考程度に見てください。
最終更新:2007-10-11


 偶然誤差を見積もる必要のある実験(「重力加速度」,「ヤング率」,「剛性率」)は次の順序でおこなうとよい。

(1)測定する.
(2)平均値を求める.
(2)'残差を求めて「残差の合計=0」を確認する.
(3)実験式に平均値を代入して実験結果を計算する.
 ここでいう実験結果とは重力加速度やヤング率などの値のこと
(4)テキストの付表等を参考にして,実験結果が正常であることを確認する.
   正常⇒(5),おかしい⇒(1)〜(3)
(5)残差の二乗などを計算して誤差を見積もる.
(6)誤差を考慮した実験結果が正常かどうかを確認する.
   正常⇒(7),おかしい⇒(1)〜(5)
(7)テキストの「検討」をおこなう.
注意残差の二乗など誤差関係の計算は,正常な実験結果が得られた後におこなうこと.
 (データ処理の順序は表の空欄を埋めていく事ではない)
注意データと実験結果だけではなく,
 実験式=数値式=実験結果(必要な単位記号を付ける)
というように,代入した数値や単位記号を書くこと.

 みなさんがデータ整理をする順序をみていると,実験結果を求める前に残差の二乗を求めていることが多い。とにかく「表の中をデータで埋めていこう」というわけであろう。しかしデータ処理の順序としては良くない。
 実験時間中におこなう必要のある「測定」や,「実験結果を求める」ことを先におこない,「誤差を見積もる」ことはあとまわしにする。正常な実験結果が得られなかったときに再測定が必要な場合があるが,残差の二乗などを先に計算していたときには,残差の二乗なども計算しなおすはめになる。

記:2007-10-15