物理学実験のテキスト
想い出の名古屋工業大学

こひつじの家



名古屋工業大学(名工大)に勤務していたときに授業を担当した「物理学実験」の,実験テキストの変遷です。物理学教室として最初に出版した1969(昭和44)年度版〜私が在職中に最後に用いた2006(平成18)年度版までを集めてみました。

最終更新:2007-10-10



勢揃いした新旧テキスト
 手前が旧タイプで左から初版,…,第6版,後が新タイプで左から初版,…,第5版です。
 撮影:1998年4月10日


1969年(昭和44年)5月30日:「物理実験指導書」初版発行
旧タイプのテキストは書名が「物理実験指導書」でA5判165ページ,表紙の色はアイボリー(灰色),表紙カバーはボール紙の色,定価は450円でした。
  初版のもくじ
初版の奥付
 撮影:1998年2月6日

1973年(昭和48年)4月30日:「物理実験指導書」改訂版(第2版)発行
大きく変わったのは第1章だけで,ページ数165ページも変わっていません。
表紙の色がマーブル(大理石)になりましたが,表紙カバーはボール紙の色でした。
定価は550円に上がりました。
 第2版の第1章「実験の手引」のもくじ

1975年(昭和50年)3月:第2版第3刷発行
 内容は第1刷とまったく同じですが,定価は750円に上がりました。

1977年(昭和52年)10月:「物理実験指導書」第3版発行
実験14が「回路素子の静特性」となってトランジスタが登場しました。
実験16が「ケーター振り子による重力加速度の測定」に変わりました。
ページ数165ページは変わっていません。
表紙の色と表紙カバーの色は第2版と同じでした。
定価は900円に上がりました。
 第3版実験テーマ

1980年(昭和55年)3月:第3版第2刷発行
 内容は第1刷とまったく同じですが,定価は1100円に上がりました。

1982年(昭和57年)9月:「物理実験指導書」第4版発行
実験18「放射線測定」が登場しました。
実験2と実験16の実験テーマが入れ替わりました。
実験9は「電位差計による起電力の測定」と,テーマ名が少し変わりました。
表紙と表紙カバーの色がシェードグリーン(青緑)に変わりました。
各執筆者がどの記事を担当したかが掲載されました。
ページ数が177ページに増え,定価は1300円に上がりました。

1985年(昭和60年)9月:「物理実験指導書」第5版発行
第4版との違いは,記述方法の改良などわずかです。
表紙と表紙カバーの色ががチョコレート色に変わりました。
ページ数177ページは変わっていませんが,定価は1400円に上がりました。

1988年(昭和63年)4月:「物理実験指導書」第6版発行
第6版との違いは,記述方法の改良などわずかです。
ページ数177ページも定価1400円も表紙の色も第5版と同じです。


1990年(平成2年)10月:「物理学実験」初版発行
書名が変わり,大きさもB5判と大きくなりました。
掲載する実験テーマは,実際におこなわれているものだけになりました。
「高温超伝導物質の電気抵抗の測定」が登場しました。
「交流回路の基礎」が登場しました。
「水の表面張力の測定」に,毛細管によって測定する実験が追加されました。
「熱電対による温度の測定」の実験は,従来の高温(〜200℃)から低温(〜−200℃)に変わりました。
「ホイートストンブリッジによる抵抗測定」は全面的に書き換えられ,試料にサーミスタが加わりました。
従来おこなわれていた実験のうち,「化学天秤」,「ボルダ振り子」,「電池の起電力」,「ケーター振り子」が姿を消しました。
データを記入したり,データを整理するための「表の実例」が省略されました。
「実験の手引き」は基本的な内容にとどまり,詳しい内容は付録としてテキストの最後の方へ移されました。
表紙の色はスカイブルー(空色)で,表紙カバーはなくなりました。
担当執筆者についての内容はなくなりました。
ページ数は120ページと少なくなり,消費税を除いた本体価格は1,200円と安くなりました。
 新タイプ初版のもくじ
新タイプ初版の奥付
 撮影:1998年2月6日

1991年(平成3年)11月:「物理学実験」第2版発行
データを記入したり,データを整理するための表の実例が復活し増補されました。
「実験の手引き」がかなり変更され,「ノートのとり方の例」が登場しました。
「交流回路の基礎」の実験が,「A. インピーダンス」と「B. 過渡現象」に分けられました。
表紙の色はイエローグリーン(若草色)になりました。
ページ数は147ページに増え,本体価格は1,500円にアップしました。
 第2版の「実験の手引」のもくじ

1993年(平成5年)4月:「物理学実験」第3版発行
「実験13 ケーターの振り子による重力加速度の測定」が,内容を全面的に書き換えられて復活しました。
表紙の色はカナリー(黄色)になりました。
ページ数は153ページに増え,本体価格は1,600円にアップしました。

1996年(平成8年)10月10日:「物理学実験」第4版発行
テーマが「基礎実験」と「物理実験」に分かれました。
基礎実験として「カリパーとマイクロメーター」が登場しました。
「交流回路の基礎」は「RC直列回路」と「RLC直列回路」という2つの実験に分かれ,「RC直列回路」には新しいテーマがたくさん増えました。
「表面張力」から毛細管による測定が削除されまし。
「高温超伝導」の試料作成が《参考》に移されました。
「真空技術」は全面的に書き換えられました。
各実験テーマごとの掲載フォーマットがある程度統一され,原理などを中心にかなり増補されました。
各実験テーマの名称が短縮されました。
「実験の手引き」がほぼ全面的に書き換えられました。
一般的な測定機器については,その使用法が付録Aにまとめられました。
表紙の色はペールサーモン(曙色)になりました。
ページ数は222ページと大幅に増え,本体価格は1,970円にアップしました。
 第4版の内容(もくじ)

1998年(平成10年)3月31日:「物理学実験」第5版発行
全体的な構成は第4版と変わっていませんが,全般的に内容が吟味修正されました。
使用する機種が変わったために「ストップウォッチ」の内容が変わりました。
表紙の色はアイボリー(灰色)になりました。
ページ数は226ページと少し増え,本体価格は2,200円にアップしました。

1999年(平成11年)9月30日:第5版第2刷発行
第1刷からの大きな変更点はありませんでした。
使用する機種が変わったために「記録計」の内容が変わり,それを使用する「熱電対」の内容も少し変わりました。
「カリパーとマイクロメータ」の検討項目が1つ増えました。
表紙の色は第1刷と同じですが,区別するために「名古屋工業大学 物理学教室 編」の両サイドにスペードマークが付きました。
ページ数226ページも本体価格2,200円も変わっていません。

2001年(平成13年)3月30日:第5版第3刷発行
「放射線」が,内容を全面的に書き換えられて復活しました。
「剛性率」で使用していた望遠鏡が拡大鏡に変わりました。
表紙のスペードマークがハートマークに変わりました。
ページ数は240ページに増えましたが,本体価格2,200円は変わっていません。
 テキストの表紙
  撮影:2001年6月25日

2002年(平成14年)3月30日:第5版第4刷発行
「RC直列回路」は,「高周波雑音を除去する」という実験が追加されるなどして内容が増え,2日かけておこなう実験テーマとなりました。
検討項目が「ヤング率」と「光の波長」で1つずつ,「表面張力」で2つ増えました。
表紙のハートマーク等がなくなり,見た目には第1刷と区別がつかなくなりました。
ページ数は242ページと少し増えましたが,本体価格2,200円は変わっていません。
 テキストの奥付
  スキャン等:2002年4月7日

2003年(平成15年)3月30日:第5版第5刷発行
カリパーという名称がノギスに変わりました。したがって実験1のテーマ名も「ノギスとマイクロメーター」に変わりました。
「表面張力」と「熱電対」で試料として使用していたメタノールはやや毒性が強いので,毒性が弱いエタノールに変わりました。
ページ数も外観も第4刷と同じです。本体価格2,200円も変わっていません。

2004年(平成16年)3月30日:第5版第6刷発行
レポートの例を追加するなど,レポートの作成についての内容が充実しました。
実験10「磁気ヒステリシス」の装置が変わったので,新しい装置対応となりました。
実験10において,ヒステリシス損失を求める実験が「検討」という項目にありましたが,これが「追加実験」という項目に移され,「検討」には新たな内容が入りました。
ページ数は248ページに増えましたが,本体価格2,200円は変わっていません。

2005年(平成17年)3月30日:第5版第7刷発行
索引を設けました。
索引を設けるにあたって,定義されていない用語については用語の説明を加え,次の用語については正しい用語に直しました。
  平均誤差 → 標準誤差
  最小桁 → 最小位
  読み取り最小値 → 最小読取値
  抵抗値 → 電気抵抗
有効数字についての定義を一般的に用いられているものに変更しました。その結果,たとえば「1500 V」は,従来は有効数字4桁としていましたが,これが有効数字2桁になります。
基本的に,誤差の上位2桁目までを有効な最確値として表すことにしました。従来は誤差の1桁目までとしていました。
測定データの処理順序を,実際におこなわれている順序に変更しました。従来は各測定値ごとに誤差を見積もってから結果を求めるという順になっていましたが,各測定値の誤差を見積もる処理は,結果を求める処理の後に移しました。
実験11「電気抵抗」の抵抗測定器がホイートストン・ブリッジからデジタル抵抗計に変わりました。
実験 7,8,10 に検討課題を追加しました。
ヤング,ユーイング,ケーターなどについて,簡単な人物紹介をするようにしました。
ページ数は258ページに増えましたが,本体価格2,200円は変わっていません。

2006年(平成18年)3月30日:第5版第8刷発行
実験1「ノギスとマイクロメータ」に分布図の例(図4 直径d2 の分布)を載せました。
ページ数も本体価格2,200円も変わっていません。




 このページの背景には「物理学実験」第5版の表紙の色を,帯には「物理実験指導書」5〜6版の表紙の色をあしらってみました。ディスプレイや照明の違いによって,かなり違った色に表示されるかもしれませんが…