「ゴム風船はどうなる?」についての結果

 試験管を液体窒素で冷やしていると,やがて風船はゆっくりと縮みはじめ,そのうちに縮むスピードがアップして風船はぺしゃんこになり,さらに試験管の中へと吸い込まれていく。
 この現象は圧力と体積と温度の関係で有名なボイル・シャルルの法則では説明できない。なぜなら風船の中の空気は冷やされることなく,ほとんど室温のままであること。それに,もし風船までが液体窒素の温度(77 K)になったとしても,室温(約 300 K)のときの体積の1/4ほどにしか縮まないはずだからである。
 試験管を液体窒素から取り出してみよう。すると試験管の底に液体が入っているではないか。
 実は,風船の中にあった空気は,液体窒素で冷やされた試験管の壁に触れて,しだいに液化していったのだった。そのまま試験管を室内に出しておくと液体空気は空気に戻り,風船は元の大きさまで膨らむはずだ。

記:2005-11-12

戻る