注意 普通の振り子のように左右に振らせてはいけない 理由 1 :鉄輪と金属線を左右に振らせることは,実験的にまちがっている。 理由 2 :金属線の上端部が強く曲げられるので,金属疲労による損傷を受ける恐れがある。 ヒント-1 マイクロメータの目盛は読み取りミスをしやすいので,マイクロメータで測定する前に,ものさしかノギスによって予備測定をするとよい。 ヒント-2 マイクロメータの操作については実験1「ノギスとマイクロメーター」を参照する。 ヒント-3 鉄輪の質量〜周期までの各測定を行って各測定値の平均値を求めたら,次は平均値を式(11)に代入して,試料の剛性率(最確値)を求める。そして求めた剛性率が正常であることを確認してから,残差や残差の二乗などを計算する。各測定を行っては残差や残差の二乗などを計算するのは,あまり良くない。その理由は,⇒ 実験 4 の「ヒント-4」を参照>。 ヒント-4 やぐらがガタつく場合は,やぐらの脚の下に高さ調節ネジがあるので,それによって調節する。 ヒント-5 周期測定において,50 周期ごとの残差に数秒以上の値が現れたときは,数えまちがいをしている可能性が大きい。この場合,振動回数の 0〜10,10〜20,・・・のスプリットタイムの差を調べていけば,どこでまちがえたかがわかる。振動回数は整数だから,本来の振動回数を求めることは容易だ。そこで補正した振動回数を記入し,補正した振動回数をもとにして正しい周期を求めることができる。ただし等間隔測定法を使用することはできないので,工夫が必要だ。 やってみよう 別の方法による誤差の見積もり 式(11)において M の代わりに(M+ΔM)を代入して G を計算し,最確値から求めた G を引いて ΔGM とする.同様にして Δl に対する ΔGl などを求め,これらをテキスト21ページの式(5.17)に代入することによって ΔG を見積もることができる。パソコンや計算した後にも数式が残っている関数電卓(最近の関数電卓は,この形式のものが多い)を使用すれば,簡単に計算できる。さらにどの測定値の誤差が結果 G に大きな影響を与えているかということもわかる。 参考⇒誤差とシミュレーション法 考えてみよう 剛性率の定義(テキスト81ページ参照)から,ずれ歪みは力を加える面の面積に反比例しその形には依存しないはずである。そこで厚さ 1 mm,幅 10 cm,高さ 50 cm のアルミ板の下端を固定して上端に力を加えたとき(力を加える面の面積は 1 cm2)をとり上げてみよう。この場合はもちろん,幅の方向よりも厚さの方向に力を加えたときの方がアルミ板は大きく変型する。面積が同じなのに歪みが違うというこの矛盾をどのように説明したらよいか。 ⇒ヒント 参考 地震波には P 波(Primary wave)と S 波(Secondary wave)があることはよく知られている。P 波は音波と同様の縦波で,地盤の圧縮が波として伝搬するものであるので,地盤のヤング率が大きく寄与する。圧縮波だから液体中でも伝搬する。それに対して S 波は水面の波のような横波で,地盤のずれが波として伝搬するので,地盤の剛性率が大きく寄与する。液体にはずれというものがないので,S 波は液体の中を伝搬しない。
参考 記:2005-04-20 |