注意 接点のショートと被覆 金属線が接点以外のところで接触しないように,金属線には絶縁チューブが被せてある。しかし接点部分は周囲の熱を感知する必要があるので,チューブが被せてない。そのため基準接点部分の接合点QとR(図2参照)が接触しやすいので注意が必要。QとRが接触していると正しい測定ができないので,QとRは少し離しておく。逆にチューブが接点を被っていると熱伝導が悪くなって正しい測定ができないので,もし接点がチューブに被われていたら申し出よ。 注意 熱電対の接点はガラス管の底まで差し込む 熱電対の接点を氷点温度にして測定するときは,接点がガラス管の底に確実に着いていることを確認する必要がある。接点がガラス管の途中で止まっていると,接点の温度は氷点よりもかなり高くなってしまうことがある。 注意 使用するエタノール エタノールは空気中の水蒸気をよく吸収するが,ある程度の水分を吸収したエタノールを使用すると融点が不明確になってしまうことがわかっている。実験に使用するエタノールは必ず試薬びんから取り出し,使い終わったエタノールは「使用済」と書いてある試薬びんに捨てること。 注意 エタノールを床にこぼさない 床の塗装はエタノールに溶けるので,エタノールを床にこぼさないように。 注意 消しゴムを液体窒素に入れるな プラスティック消しゴムを液体窒素に入れてはいけない。破裂して小さくて鋭い破片が飛び散ることがあるので危険だ。破片が目にでも突き刺さったら大変である。 ヒント-1 テキストの図3「クロメル-アルメル熱電対の標準校正曲線」を作成する元になるデータは非常に精密に測定されているので,その誤差はグラフ上では目に見えないほどに小さい。データ点を正確に記入したときには,すべてのデータ点を通る非常に滑らかな曲線が描けるはずだ。 ヒント-2 図3「クロメル-アルメル熱電対の標準校正曲線」を用いれば,エタノールの融点温度における熱起電力を予測することができる。あらかじめ予測しておけば測定ミスをかなり防ぐことができる。 ヒント-3 テキストの検討(2)と検討(3)については次のような図を描いてみると理解しやすい。 |
考えてみよう その 1 接点の温度がそれぞれ氷点 0℃と液体窒素の沸点 −195.82℃ であったとき,クロメル−アルメル熱電対の起電力は,テキスト254ページの起電力表から,±5.824 mV となる。測定結果が,記録計の機器誤差や読取誤差を考慮しても,この値と一致しなかった場合は,その理由を考えてみよう。なおテキスト227ページの「X−t 記録計」の仕様から,記録計の機器誤差は ±0.05 mV である。 ⇒ヒント 考えてみよう その 2 熱電対を用いて温度を測定するときに,基準温度を氷点以外に設定する場合がある。具体的な例としては 実験 12「高温超伝導」では基準温度を液体窒素の沸点に設定しているが,なぜ基準温度を氷点以外に設定する必要があるかを考えてみよう。 ⇒ヒント 記:2005-04-20 |