最終更新:2010-01-09
エアセクション
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エアセクション
エアセクション《えあせくしょん》
air section
/
insulated overlap
下図の
架線Aと架線
Bのように,電気的に絶縁させる必要がある
2
つの架線をオーバーラップさせるようにして接続する
電車線区分装置。2
つの架線の間には,特に絶縁体を入れたりはしないので,[空気で絶縁されている接合部分]
という意味で
エアセクションといわれる。
図 真上から見たエアセクションと列車
2
つの架線がオーバーラップしているため,
エアセクションを通過する
車両への電力供給が途切れることはないが,通過中には
パンタグラフによって
2
つの架線がショートされた状態になるため,架線間の電圧差が大きい場合には,パンタグラフや架線にかなりの電流が流れることになる。それでも車両が普通に通過してしまえば問題ないが,もしその区間で停止した場合には高熱が発生して,パンタグラフや架線が損傷することがある。そのため
エアセクションで車両を停止させることは禁止されている。
2007年6月22日朝,
JR東北線さいたま新都心−大宮間で架線が切れ,広い範囲で長時間送電がストップして,通勤通学で満員の
電車が多数立ち往生するという事故が発生した。原因は,
エアセクションで停止した電車によって架線が溶断しためだった。この事故をきっかけに,
エアセクションの存在がはっきりわかるような看板や,
列車の最後尾が
エアセクションを通過したことを示す目標などが設置されるようになってきた。
左の写真は
エアセクションが始まる部分と
電車線区分標。
エアセクションの区間には,目立つように赤色の
保護カバーが使用されている
(東海道線清洲駅付近。走行中の電車から2010年1月撮影)。
中央の写真は
6
両編成の列車最後尾が
エアセクションを通過したことを示す,
JR東海タイプの目標
(中央線名古屋−金山間で2009年3月撮影)。
右の写真は
4〜6
両編成の列車最後尾が
エアセクションを通過したことを示す,
JR西日本タイプの目標
(東海道線能登川−安土間で
2009年11月撮影)。