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最終更新:2009-12-20
自然振子
鉄道用語

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自然振子《しぜんふりこ》
 自然振り子
 natural pendulum/natural tilting/passive tilting
 振子中心を車体の重心よりも上に設定し,自然の揺れにまかせた振子式。重力をG,遠心力をCとすると車体はtanθ=C/Gで決まる角度θで内側に傾くため,車両が直線上を走行していても,カーブを走行していても,また静止していても,乗客を左右に倒そうとする力は働かないために,乗り心地がよいはずである。カーブを走行中は重心がカーブの外側に向かって移動するため,転覆の危険性が高くなる。そのため車体を軽量化したりクーラーなどの設備を床下に設置するなどして,できるだけ重心が低くなるように設計する必要がある。
 自然振子1970年(昭和45年)591電車を使って試験がおこなわれ,1973年には営業車両としては最初の振子車となる381系電車が名古屋−長野間の特急[しなの]に登用された。しかし列車が直線からカーブにさしかかったときなどに振れに遅れが生じることや,車体が傾くときに床面が左右に移動するために特に立っている乗客は足をすくわれるような感じを受けるなどの問題があることがわかってきた。
 写真はクロ381形電車とその台車(臨時特急[しなの]として運転されたときに名古屋駅で撮影2003年8月)。
クロ381-13

クロ381-13の台車
 参考:制御付振子車体傾斜装置カントカント不足
鉄道技術用語辞典(鉄道総合技術研究所編 丸善 1997-12)280
図解雑学 電車のしくみ(宮本昌幸監修 ナツメ社 2005-09)182
ここまできた鉄道車両(宮本昌幸著 オーム社 1997-03)125
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