とうかいどうせん
東海道線

名古屋圏の鉄道/こひつじの家


路線の紹介・東海道線(東海道本線)

名古屋圏を中心に,東海道線の概要と歴史を紹介する。

東海道線の概要  東海道線の年表

最終更新:2007-11-23



東海道線の概要[名古屋圏を中心に]
東海道線(東海道本線)は首都圏⇔中京⇔京阪神を結ぶ,東京−神戸間の幹線鉄道路線である。日本で鉄道が最初に開業した新橋−横浜間を含めて,全線が国営事業として建設された。日本の大動脈として機能し,「汽笛一声新橋を……」で始まる鉄道唱歌,「帝都を後にさっそうと……」で始まる新鉄道唱歌など,東海道線にちなんだ多くの歌も作られたが,新幹線が開業してからは特急や急行列車は激減し,ローカル列車や貨物列車が中心になっている。

厳密にいうと東海道線と東海道本線とは区別されていて,東海道線は東海道本線,山手線,横須賀線,御殿場線,身延線,飯田線,武豊線,福知山線などを含んだ総称となっている。ただし大垣(正確には南荒尾信号場)−美濃赤坂間の通称「美濃赤坂線」は,支線であるにもかかわらず,東海道本線となっている。
一般には東海道本線と東海道線を区別してないことが多いので,ここでは特に区別する必要がないかぎり東海道本線も「東海道線」とよぶことにする。

南荒尾信号場から東海道本線の下り専用迂回線が分岐していて,関ヶ原で合流する。この迂回線は最大25パーミルの上り勾配をやわらげるために作られたもので,機関車の牽引による列車や特急電車は,現在でも迂回線を走る。一方,大垣−関ヶ原間の本来の下り線は通称「垂井線」という支線扱いの単線となっていて,下り電車だけではなく,上り電車も走る。

名古屋駅から稲沢駅をすぎたあたりまでは,複線電化の稲沢貨物線が並走している。また大府駅から笠寺を経て名古屋駅付近に至る南方貨物線の建設が行われて路盤がかなりでき上がっていたが,その後計画が凍結されたままになっている。大府駅から笠寺駅までは東海道線の車窓から路盤を見ることができる。また東海道線の線路が貨物線として作られた路盤を通っているところもある。

国鉄の民営化後は,東京−熱海間がJR東日本,(熱海)−(米原)間がJR東海,米原−神戸間がJR西日本の管轄となった。

もともと駅間距離が比較的長い路線であったこともあって新駅の建設がさかんで,民営化後のJR東海区間内だけでも西岡崎三河安城逢妻三河塩津,(金山),豊田町,東静岡,愛野,尾頭橋野田新町が開業している。

東海道線名古屋圏の普通列車の編成は,ラッシュ時を中心に8両編成もあるが,日中は快速系6両,各駅停車は4両または2両が基本となっている。その他に豊橋−大垣間が普通列車扱いになる下り「ムーンライトながら」が名古屋まで,373系(21m級車両)の9両編成で運転される。

設定最高速度は,東京−大船間110km/h,大船−小田原間120km/h,小田原−豊橋間110km/h,豊橋−米原間120km/h,米原−神戸間130km/hとなっている。ただし単線扱いの通称「垂井線」は85km/hである。

東海道線の年表[名古屋圏を中心に]
1872年 6月12日(水)[明治5](旧暦では5月7日)
・品川−横浜(現在の桜木町)間が仮開通した。

1872年10月14日(月)(旧暦では9月12日)
・新橋(後の汐留)−品川間が開通した。

1874年 5月11日(月)[明治7]
・大阪−神戸間が開通した。

1876年 7月26日(水)[明治9]
・向日町−大阪間が開通した。

1876年 9月 5日(火)
・大宮通(その後廃止)−向日町間が開通した。

1877年 2月 5日(月)[明治10]
・京都−大宮通(その後廃止)間が開通した。

1879年 8月16日(土)[明治12]
・大谷(その後廃止)−京都間が開通した。

1880年 7月14日(水)[明治13]
・馬場(現在の膳所)−大谷(その後廃止)間が開通した。

1883年 3月[明治16]
・長浜−関ヶ原間が開通した。

1883年 5月 1日(火)
・関ヶ原−深谷(その後廃止)間が開通した。

1884年 1月21日(月)[明治17]
大垣−関ヶ原間が開通した。

1886年 3月 1日(月)[明治19]
・武豊港−熱田間33.2kmが開通し旅客営業を始めた。

1886年 4月 1日(木)
・熱田−清洲(現在の枇杷島)間が開通した。

1886年 5月 1日(土)
・清洲−尾張一宮間が開通し,名護屋駅が設けられた。

1886年 6月 1日(火)
・尾張一宮−木曽川間が開通した。

1887年 1月21日(金)[明治20]
岐阜−大垣間が開通した。

1887年 4月25日(月)
・木曽川−岐阜間が開通した。

1887年 5月 7日(土)
・横浜(現在の桜木町)−国府津が開通した。

1888年 9月 1日(土)[明治21]
浜松大府間が開通した。

1889年 2月 1日(金)[明治22]
・国府津−静岡間が開通した。国府津−沼津間は現在の御殿場線。

1889年 4月16日(火)
・静岡−浜松間が開通し,長浜−馬場(現在の膳所)間を汽船連絡という変則的ながら,新橋−神戸間が全通した。

1889年 7月 1日(月)
・深谷(その後廃止)−米原間と,長浜−米原−深谷間が開通し,新橋−神戸間が正式に全通した。

1906年[明治39]
・鉄道国有法の施行で全国の主要鉄道が国有化され,新橋−神戸間は「東海道本線」と命名された。

1910年12月16日(金)[明治43]
・烏森(現在の新橋)−品川間が電化された。

1910年 6月25日(土)
・有楽町−烏森(現在の新橋)間が電化された。

1910年 9月15日(木)
・東京(その後廃止された呉服橋)−有楽町間が電化された。

1912年 6月15日(土)[明治45]
・新橋−下関間に初の特急列車が運転された。

1913年 8月 1日(金)[大正2]
・東海道線が全線複線化された。

1914年12月20日(日)[大正3]
・東京−新橋間が開通した。
・品川−横浜(その後廃止された高島町)間が電化された。

1918年[大正7]
・丹那トンネルの工事が着工された。

1919年 4月29日(火)[大正8]
・南荒尾信号場が設置された。

1919年 8月 1日(金)
・南荒尾信号場−美濃赤坂間の通称「美濃赤坂線」1.9kmが開通した。

1920年10月21日(木)[大正9]
・国府津−小田原間が開通した。

1922年12月31日(日)[大正11]
・小田原−真鶴間が開通した。

1924年12月31日(水)[大正13]
・真鶴−湯河原間が開通した。

1925年 1月[大正14]
名古屋稲沢駅間の貨物線が単線で開通し,稲沢操車場が開業した。

1925年 3月25日(水)
・湯河原−熱海間が開通した。

1925年12月13日(日)
・横浜−国府津間が電化された。

1926年 2月[大正15]
・国府津−小田原間が電化された。

1928年 2月25日(土)[昭和3]
・小田原−熱海間が電化された。

1934年 7月20日(金)[昭和9]
・吹田−神戸間が電化された。

1934年12月 1日(土)
・熱海−沼津間が最初から電化で開通した。丹那トンネルの開通によるもので,東海道線は国府津から沼津までが海沿いのルートとなった。

1936年[昭和13]
名古屋〜稲沢間の貨物線が複線化された。

1937年 2月 1日(月)[昭和14]
笹島駅が名古屋駅の貨物取り扱い駅として開業した。

1937年10月10日(日)
・京都−吹田間が電化された。

1944年10月11日(水)[昭和19]
・勾配緩和のために南荒尾信号場−関ヶ原間に迂回線10.7kmが開通し,途中に新垂井駅が開業した。

1948年 8月 1日(日)[昭和23]
西小坂井駅が開業した。
・御油駅が愛知御津駅と改称された。

1949年 2月25日(金)[昭和24]
・沼津−静岡間が電化された。

1949年 5月20日(金)
・静岡−浜松間が電化された。

1953年 7月21日(火)[昭和28]
・浜松−名古屋間が電化された。

1953年11月11日(水)
・名古屋−稲沢間が電化され,貨物列車は稲沢で電気機関車と蒸気機関車の交代をすることになった。

1954年12月15日(水)[昭和29]
・名古屋機関区所属の蒸気機関車「C62 17」が,木曽川鉄橋の高速強度テストで,狭軌SLとしては世界最高の129km/hを記録した。この機関車は1970年[昭和45]に廃車となり,翌年3月から東山公園で静態保存されている。

1955年 7月 7日(木)[昭和30]
・豊橋−岐阜間で湘南電車(80系電車)の運転が始まった。

1955年 7月20日(水)
・稲沢−米原間が電化された。

1956年11月19日(月)[昭和31]
・米原−京都間が電化され,東海道線全線の電化が完成した。

1958年10月 1日(水)[昭和33]
・大垣−美濃赤坂間が電化された。

1958年11月 1日(土)
・東京−神戸間に初の電車特急「こだま」の運転が始まった。東京−大阪間の所要時間は6時間50分。

1960年 3月 1日(火)[昭和35]
三河大塚駅が開業した。

1964年10月 1日(木)[昭和39]
・東海道新幹線が開業した。

1966年12月24日(土)[昭和41]
東刈谷駅が開業した。

1967年 3月20日(月)[昭和42]
三ヶ根駅が開業した。

1968年10月 1日(火)[昭和43]
・東京−大阪間に上下1本ずつあった客車普通列車が廃止され,東京−大垣間(下りは美濃赤坂まで)の普通電車となった。

1971年 4月26日(月)[昭和46]
豊橋−大垣間に153系や165系電車を使用した快速が登場した。名古屋−岐阜間23分。

1982年 8月 2日(月)[昭和57]
・台風10号による増水で1910年[明治43]に建設された下り線の富士川鉄橋が流失した。開通したのは10月15日。1955年[昭和30]に建設された上り線の鉄橋は無事だったため,下り線が開通するまで富士−富士川間が単線で運転された。

1982年11月15日(月)
・豊橋−大垣間の快速用に117系電車が関西から導入された。

1986年11月 1日(土)[昭和61]
西岐阜駅が開業した。
・新垂井駅が廃止された。
・名古屋地区に211系電車が登場し,「シティーライナー」と名付けられた。当初はブルーの帯に塗られていた。
・名古屋地区にクハ117の100番台と,クハ116の200番台を増備し,117系の編成を6両から4両にした。

1988年 3月13日(日)[昭和63]
西岡崎駅三河安城駅逢妻駅が開業した。
・JR発足後初のダイヤ改正が行われ,名古屋近郊の東海道線と中央線に211系5000番台の新造車が登場した。

1988年11月16日(水)
三河塩津駅が開業した。

1989年 7月 9日(日)[平成1]
金山駅に東海道線用のホームが新設されて運用が開始された。
311系電車の導入で普通列車による全国初の120km/h運転が始まり,新快速で名古屋−岐阜間が最短18分となった。

1995年 3月16日(木)[平成7]
尾頭橋駅が開業した。

1995年10月
・二川−米原間のCTCが完成した。

1996年 3月16日(土)[平成8]
・東京−大垣間の夜行普通列車いわゆる「大垣夜行」は373系電車全車指定席(一部区間を除く)の「ムーンライトながら」となった。
・東京−静岡間に165系電車で運転されていた急行「東海」が,373系電車の特急「東海」に格上げされた。

1999年 6月 1日(火)[平成11]
・名古屋圏の東海道線で313系電車の運転が始まった。

1999月12月4日(土) ・名古屋圏の東海道線に特別快速が登場した。

2000年 9月11日(月)[平成12]
・東海地方で発生した集中豪雨のために東海道線は五条川信号場付近と大府駅の上り方で冠水し,名古屋−尾張一宮間,大府−岡崎間で運転できなくなった。名古屋−尾張一宮間は翌12日18時ごろに貨物線を使用して枇杷島・清洲・稲沢を迂回する方法で再開し,翌朝には通常に開通した。しかし大府付近の運転が再開されたのは14日の16時半となった。

2004年 3月13日(土)[平成16]
・東京−大阪間でJR貨物の貨物電車「スーパー・レール・カーゴ」の運転が始まった。

2007年 3月18日(日)[平成19]
・東刈谷−刈谷駅間に野田新町が開業した。



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